今のところ、ただの自由帳 たまに二次小説とか書くかも
2024/04/28 (Sun)
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2014/10/07 (Tue)
プロローグ
「ええーっ!かよちん、来られないの!?」
甲高い声がそびえ立つ音ノ木坂の校舎に飲み込まれた。
『うん…ちょっと調子が悪くて…風邪ひいちゃったみたいなの』
電話越しに謝る声を聴きながら、星空凛は少し不服そうな表情を浮かべた。
「風邪なら仕方ないよね…じゃあ今日は凛1人で行くことにするよ!かよちんはゆっくり休むにゃ!」
『凛ちゃん、ありがとぉ……ごめんね?私が誘ったライブなのに』
「気にすることないにゃ!凛も興味あったんだ、μ'sのライブ」
励ますように声を弾ませ、電話を切る。振り返った凛の前には、国立音ノ木坂学院高校。高校生向けの見学会と音ノ木坂を代表するスクールアイドル「μ's」のライブが行われるのだった。
音ノ木坂学院高校は秋葉原地区を代表する2大スクールアイドルの一つ「μ's」を擁する名のある女子校である。他方の「A-RISE」を擁するUTX高校に比べれば設備も古く立地条件も良いとは言えないが、高坂穂乃果と園田海未の2人によるユニット「μ's」の人気は凄まじく、「μ's」に憧れて音ノ木坂を目指す中学生も少なくない。
凛もその例に漏れず、あらかた学校の見学を終えると野外特設ステージで行われる「μ's」のライブの観覧席へと腰を下ろした。
「できればかよちんと見たかったな…」
本来なら凛の隣には親友の小泉花陽が座っているはずだった。どちらかといえば、アイドルマニアの花陽のほうがμ'sのライブを楽しみにしていたことを知っているため、凛は心底残念そうにため息をついた。
そのとき、観客が一斉に沸いた。ステージにμ'sが姿を現す。それはシンプルなピンクと青のドレスに身を包んだ2人の少女だった。
………………………………
少し前、舞台裏では3人の少女が向かい合い最終確認を行っていた。
「今日もたくさんのファンの方が来てくださっていますね。上手くやれるか正直不安です」
「もー、海未ちゃんってば相変わらずなんだから!やれるよ、私たちなら!」
「穂乃果……」
うつむき気味だった海未は深い蒼の長髪を揺らして穂乃果を見上げる。そこには根拠不明の、しかし絶対的な自信に満ちた顔があった。それは、これまで何度も海未の手を引いてくれた力強い橙の輝きだった。
「私たち3人でなら、どこまでも輝いていけるよ」
「それに、ライブが始まったら海未ちゃんもノリノリだよね」
μ'sのマネージャー兼衣装係を務める南ことりが、穂乃果と海未の肩に手を置いて微笑んだ。
誰からともなく、ピースした手で円陣をつくる。
「よーし、いっくぞー!」
「「「μ's!ミュージック、スタート!」」」
………………………………
「本日は私たちμ'sのライブに来てくださってありがとうございまーす!」
「今日も精一杯歌います。最後まで楽しんで行ってくださいね!」
舞台に現れたμ'sは瞬く間に老若男女を問わない喚声に飲み込まれた。その波のなかで凛は初めて体験するライブの熱気に立ち尽くしていた。
「これがアイドル……これがμ's……」
凛はこれが初めてのライブ参戦だった。その頬は既に昂り熱を帯びていた。イエローの瞳が揺れた。
「さっそく一曲目、いっくよー!」
穂乃果の掛け声で始まるのはμ'sの原点、『僕らのLIVE 君とのLIFE』。ファン初心者の凛でも知っている有名なナンバーで、会場のテンションは一気に最高潮に達した。
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