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今のところ、ただの自由帳 たまに二次小説とか書くかも

カテゴリー「幻想郷昔話シリーズ」の記事一覧
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 見張りの鬼を倒した桃太郎一行は、いよいよ鬼の本拠地に侵入しました。
 突如として現れた侵入者に鬼たちは驚きましたが、妖精と妖怪ごときに何ができる、と一斉に襲い掛かってきます。

 しかし、桃太郎たちは、おばあさんの能力が込められたきび団子を食べて強くなっているのです。
 犬神が食い千切り、狒々が殴り飛ばし引き裂き、青鷺火が燃やし尽くします。
桃太郎は、ばっさばっさと鬼を切り倒してゆきます。
 すると、奥の方からひときわ強力な妖気を纏う鬼が姿をあらわします。妖怪の山の頭領です。

「お頭~助けてくだせえ~」
「妖精妖怪の分際で、なかなかやるじゃねーか。久々に血がたぎるぜ!」

 頭領はバトルマニアなのでした。頭領は笑みを浮かべると、鉄の棍棒を取り出しました。
 桃太郎と頭領の一騎打ちは長引きました。桃太郎の「断ち切る程度の能力」が、頭領の「耐える程度の能力」で相殺されてしまって通じないのです。二人は何十合も打ち合いました。

 しかし、決着は訪れます。桃太郎の放った一撃が、頭領の不意をついて胴体を真っ二つにしたのです。
 桃太郎の体は、鬼たちの返り血で真っ赤に染まっていました。
 仲間たちも、あらかた鬼を倒して桃太郎のもとに集まってきました。
「さあ、観念しろ鬼め!」
 桃太郎が頭領に刀を突きつけて言います。

「もう抵抗はしないさ。殺すがいい。だがな」
「?」
「この状況を見てみろよ。お前たちは鬼退治に来たというが、果たしてどちらが鬼なんだろうな?」
「っうるさい!」

 桃太郎は頭領の首を落としました。そしてその首を持って帰ることにしました。

 帰り道、桃太郎の頭からは頭領の言葉が離れませんでした。確かに村を襲っていたのは鬼、だけどその鬼をこうも簡単に殺してしまう自分は一体なんなのだろう。本当に自分はただの妖精なんだろうか。
 そんな考えが、桃太郎の頭を支配していました。

 村に到着すると、みんなが祝福してくれました。笑顔で感謝してくれる人々を見て、桃太郎は先ほどの考えを忘れて素直にうれしさを感じました。仲間たちとも別れて、桃太郎は日常生活へと戻るのでした。

 しかし、しばらくすると桃太郎は居心地の悪さを感じるようになりました。なんだか、みんなに避けられているような感じがするのです。
 そのころ村人たちは、桃太郎に畏れを感じ始めていました。鬼を倒した桃太郎は人間ではない、そんなうわさが広まっていました。

 桃太郎は村での生活に限界を感じ、おじいさんとおばあさんを連れて村を出ることにしました。
 桃太郎の向かう先には、あの妖怪の山がそびえ立っているのでした……

どっとはらい
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鬼ヶ島に向かう道中、桃太郎は一匹の犬神に出会いました。
「おい、そこの犬神」
「ん?お前は○○村の桃太郎じゃないか。何の用だ」
「今から鬼退治に行くんだけど、一緒に来てくれないか?」
「そうだな、お前の腰につけた団子をくれるなら行ってやってもいいぞ」
こうして犬神が仲間になりました。

ぐんぐん歩いていくと、今度は狒々に出会います。
「おい、そこの狒々」
「ああ、言わなくていい。分かるぞ、鬼退治に行くんだな?」
「そうだ、一緒に来てくれないか?」
「鬼どもが暴れちゃ、ワシの獲物が減るからな。行ってやろう」
こうして狒々が仲間になりました。
「おい、そのきび団子ワシにも寄越せ」

さらに歩いていくと、今度は青鷺火に出会いました。
「おーい、サギのじいさん!」
「おお桃太郎かい。退治屋が妖怪引き連れてどうしたんじゃ」
「今から鬼退治に行くんだけど、一緒に来てくれないかと思ってね」
「ほっほ、ワシなんぞで良ければ喜んで行くぞ」
こうして、青鷺火も仲間になりました。
「ああ、ワシも団子もらえるかね?」

やがて一行は、妖怪の山に到着しました。
山を登っていくと、見張りの鬼が桃太郎たちを睨んでいました。
「なんだてめえら、見かけない顔だな。何しに来た?」
「村を襲うお前たちを、成敗しにきたんだ!」
すると見張りの鬼は大笑いしました。
「はっ!妖精のくせに人間の味方気取りか?笑わせんな!ここでぶっ殺してやる!」
見張りの鬼がぐわっと躍りかかってきます。
しかし桃太郎は慌てず、刀を抜いて静かに振り下ろすのでした。
一閃。
次の瞬間、鬼は真っ二つになっていました。「断ち切る程度の能力」です。
犬神、狒々、青鷺火は自分たちの必要性に疑問を持たざるを得ませんでした。

むかしむかし、あるところに、おじさんとおばさんが住んでいました。
2人は人間には珍しく能力を持っていて、特におじさんは村でも指折りの妖怪退治屋でした。

ある日、おじさんは依頼で山に妖怪退治に、おばさんは川に洗濯にいきました。

おばさんが洗濯をしていると、川上のほうから妖気を帯びた大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこ、と流れてきました。

おばさんは警戒しましたが、特に被害もなさそうなので「怪力を持つ程度の能力」を使って持って帰ることにしました。

帰ってきたおじさんと話し合って、とりあえず切ってみることにしました。
何が起こるかわからないので、おじさんは「封印する程度の能力」をいつでも発動できるように身構えました。

いざおばさんが包丁を入れると、なんと桃の中から小さな男の子の姿をした羽の無い妖精が出てきました。

子供のいなかった2人はたいそう喜び、この子に桃太郎と名付け、育てることにしました。


月日は流れ、桃太郎はすくすくと育ち、村の人気者になりました。仕事をやめて隠居を始めたおじいさんの代わりに妖怪退治の仕事をして、村周辺に生息する妖怪くらいなら難なく倒せるほど強くもなりました。

その頃、強力な妖怪が住まう妖怪の山と呼ばれる山から、山を治める鬼の一族がふもとまで降りてくるようになっていました。
鬼は人間をさらい、そして食べてしまうのでした。

ある日、ついに隣村が鬼に襲われてしまいました。
鬼を恐れた村人たちは、桃太郎に鬼を倒してほしいと願いました。
桃太郎は悩みました。周辺の妖怪は倒せても鬼に勝てる自信がなかったからです。
しかし、村人のため、なによりおじいさんとおばあさんのために鬼退治をすることに決めました。

「お前の『切り裂く程度の能力』があれば大丈夫だ」
おじいさんはそう励ましてくれました。
「お腹が空くだろうから、これを持ってお行き」
おばあさんはそういって、皮袋にいっぱいのきびだんごを持たせてくれました。

かくして、桃太郎は妖怪の山に向けて鬼退治の旅をすることになったのです。
  
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